| INTRODUCTION |
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2008年のオリンピックに向けて変貌を遂げる北京。再開発の波が押し寄せ、昔ながらの面影を残す路地・胡同は姿を消しつつある。一般庶民の描き方に定評のあるアン・ザンジュン監督は本作『胡同愛歌』で、その胡同を舞台に肩を寄せ合い助け合って生きる市井の人々の暮らしをあたたかな目線で描き出し、第28回モントリオール国際映画祭で審査員大賞を受賞した。「世の中に物があふれ、人々の生活が豊かになっていく一方で、近代化の大きな波に取り残されている人々に目を向けて、映画を撮りたかった。」とアン監督は言う。監督自身も20才頃まで胡同で暮らしていた。子供の頃は自転車で胡同を駆け抜け、北京中を走り回っていたと言う。脚本家のチャン・ティン氏も大学を卒業後、家賃が安かったという理由で胡同に暮らした経験がある。その時に出会った人々、出来事がこの作品が生まれる下地となった。。撮影は北京で最も雰囲気を残していると言われる胡同「什刹海」で行われた。真夏で汗だくになりながらのロケだったと言う。 物語の軸となるのは、離婚し、リストラされ、駐車場の案内係をして働く父親と高校生の息子。胡同に住む二人は貧しくても日々の暮らしにささやかな幸せを感じ、誇りを持って生きている。父親を演じるのは中国でコメディアンとして活躍する範偉(ファン・ウェイ)。本作で映画に初出演したが、自然体ながらも哀愁漂う演技で作品に情感を与え、第28回モントリオール国際映画祭で最優秀主演男優賞を受賞した。 |